輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
いど
作家の自伝102 伊藤左千夫
伊藤 左千夫
線上閱讀伊藤 左千夫《作家の自伝102 伊藤左千夫(いど)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,100 字 · 19 頁
令名を当世に挙げ富貴の生活を為すは人世の最も愉快なるものに相違ないが、予の如き凡人的愉快も又云うべからざる趣味がある。神は必しも富貴なる人にのみ愉快を与えぬのである、予一人の愉快のみでない、老いたる父母が予の決心を知って又深く愉快を感じたは疑を要せぬ。
僅に二円金を携えて出京した予は、一日も猶予して居られぬ、直に労働者となった。所謂奉公人仲間の群に投じた。或は東京に或は横浜に流浪三年半二十七歳と云う春、漸く現住所に独立生活の端緒を開き得た。固より資本と称する程の貯あるにあらず、人の好意と精神と勉強との三者をたよりの事業である。予は殆ど毎日十八時間労働した、されば予は忽ち同業者間第一の勤勉家と云う評を得た。勤勉家と云えば立派であるが当時の状況はそれほど働かねば業が成立せぬのだ。此の時に予の深く感じて忘れられぬは人の好意である。世人は一般に都人の情薄きを云えど、予は決してそうは思わぬ。殆ど空手業を始めた困苦は一通りでない。取引先々の好意がなくて到底やりとおせられるものでない。予に金を貸した一人の如きは、君がそれほど勉強して失敗したら、縦令君に損を掛けられても恨はないとまで云うた。