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ぞくしゅう
俗臭
織田 作之助
線上閱讀織田 作之助《俗臭(ぞくしゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 34,630 字 · 70 頁
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翌朝、二人で河内の狭山に出掛けた。お寺に掛け合って断わられたので、商人宿の一番広い部屋を二つ借りうけ、襖を外しぶっ通して会場に使うことにした。それから「仁寄せ」に掛った。村の到るところに、「日本一の名霊灸! 人助け、どんな病もなおして見せる。○○旅館にて奉仕する!」と張り出しをし、散髪屋、雑貨屋など人の集るところの家族にはあらかじめ無料で灸をすえてやり、仁の集まるのを待った。宣伝が利いたのか、面白いほど流行った。婆さんは便所に立つ暇もないとこぼしたので、儲けの分配が四分六の約束だったのを五分々々の山分けにしてやった。狭山で四日過し、こんな目のまわる様な仕事はかなわん、元手が出来たから博奕をしに大阪に帰りたいという婆さんを拝み倒して、紀州湯崎温泉に行った。温泉場のこと故病人も多く、流行りそうな気はいが見えたので、一回二十銭を三十銭に値上げしたが、それでも結構人が来た。前後一週間の間に、五円の資本が山分けして八倍になり、もうこの婆さんさえしっかり掴えて居れば一儲け出来ると、腰が抜けそうにだるいという婆さんの足腰を温泉で揉んでやったり、晩には酒の一本も振舞ってやったりして丁重に扱っていたが、湯崎へ来てから丁度五日目、ほんまに腰が抜けたと寝こんでしまった。