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「やまとみんぞく」とはなんぞや
先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選
喜田 貞吉
線上閱讀喜田 貞吉《先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選(「やまとみんぞく」とはなんぞや)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,063 字 · 389 頁
寺伝によると所謂魔王大僧正は、当寺の本尊毘沙門天の化現だともある。しかし天狗はひとり毘沙門天を祭った鞍馬のみのことでなく、他の名山霊嶽にも、同類の護法の信仰は甚だ多い。そしてこれらはやはりその地の地主神すなわち先住民の現れと見るべきものであろうと解せられる。
加賀の白山の天狗は鞍馬寺所伝天狗神名記によるに、白峰坊大僧正というとある。そしてその下には正法坊という眷属天狗の名も見えているが、無論その外にも配下の天狗達は甚だ多いに相違ない。何しろ日本の天狗界には、部類眷属族合して十一万三千三百余というのであるから、後世にその名は伝えられずとも、有象無象の天狗達の各地に多かったことは言うまでもない。
護法としての天狗達は、その所属の社寺を護り、またしばしば牛若丸に剣法を授けた鞍馬の僧正坊の様に、真面目な事もやってはみるが、もし一朝その怒りにでも遇おうものならば、たちまち八つ裂きに引き裂かれて樹の股にかけられたり、或いは恐ろしい罰に苦しめられたりするものだとして怖れられていた。ことに鎌倉時代の思想では、その恐ろしい方面のみが頻りに宣伝せられて、鞍馬の天狗の大将が魔王大僧正と呼ばれている様に、本来護法であるべき筈のものが、いつしか仏法の妨げをしたり、或いは人間に憑いて世の中を乱す魔神として見做されていたのである。