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ふたたびかがくてきせいしんについて

再び科学的精神について

戸坂 潤

線上閱讀戸坂 潤《再び科学的精神について(ふたたびかがくてきせいしんについて)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,742 字 · 23 頁

青空文庫

この率直な意見は大いに傾聴に値いするのだが、では科学教育や技術教育になるとどうかと云えば、自然を通じて神を見ることを教えるのが理科教育の精神であるとか、偉大な自然科学者は又偉大な宗教家であるとか云って、ゴマ化して了うのであって、教学的教育のやや堂々(?)たる主張にも似ず、意外に貧弱な言葉をしか吐くことが出来ぬ。今日の日本では各方面に技術教育の重大性が良い意味に於ても悪い意味に於ても認識され、この問題が教育界の中心問題の一つになっているが、その時、こうした教学主義的教育観がこの問題について暴露する本質的な無能力は、教学なるものそのものが時代的に救い難い代物となって来たことを告げるに余りあるではないだろうか。教学が科学ではなくして、教えと学びとをそれ自身内容とするという教育的自己感応の本性のものであるだけに、教育に於ける教学のイデーの行きづまりは、皮肉と云う他ない。

かくて教学的精神は発達史的認識の要点を故意に逸するものであり、且つ実証的技術的認識を見事に回避するものだ。そして相手の関心を専ら道徳という框に追い込むものなのだ。もし歴史的認識と実証的精神という或る意味での合理的精神の二面が科学的精神の二つの契機であるなら、教学的精神は科学的精神の、今日の文化時局に於ける正反対物であることが、結論されていいだろ