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ぼんじんでん
凡人伝
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《凡人伝(ぼんじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 98,944 字 · 202 頁
彼奴と並んでいる小松ってのも年を食っているぜ」
「あれは勉強家らしい」
「町役場に勤めていたのが志を立てゝ入学したんだそうだ」
と私は○○町出身の生徒から聞いて、この男に敬意を表していた。
「感心だね」
「一生懸命だから質問ばかりしている」
「もう一人長谷川ってのがいるだろう?」
「あれはまるで大人じゃないか? 髭が少し生えている」
「もう十八九だろう。在で小学校の代用教員をしていたんだよ。僕と並んでいる山口君はあの人から習ったことがあるそうだ」
「これは驚いた。先生と生徒が同級生になってしまったんだね」
「然うさ」
「先生の方が下になると大変だぜ」
「何とも知れない。二年級は高等卒業生から馳り集めたんだから、ヒネの多いのは分っているが、先生が入っているとは思わなかったよ」
「これは迚も敵わない」
「見給え」
「何だい?」
「君は矢っ張り一番になろうって気があるんだ」
「ないよ」
「しかし村の名誉の為めに奮発する方が宜いぜ」
と安井君は最初の話題に戻った。
責任解除の結果は早速第一学期の成績表に現れた。私は総評可、席次十三だった。
「一番になれなかったね」
と父親は稍失望したようだった。