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ぼんじんでん

凡人伝

佐々木 邦

線上閱讀佐々木 邦《凡人伝(ぼんじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 98,944 字 · 202 頁

青空文庫

「それは当り前です」

「君は信者ですか?」

「いや、信者じゃありませんが、新島襄先生と同郷です」

「成程。群馬県でしたね?」

「はい。而も同じ町です」

「それじゃ安中ですか?」

「はい」

「僕は今新島先生の伝を研究しているんですから、何んな町だか教えて下さい」

「はい」

「馬がはい/\言っている」

と野崎君が茶化した。

「何だい?」

「何だ?」

「馬ってのは失敬だぞ」

「馬丈けなら宜い方だ。未だ鹿って字はつけない」

「君は僕を馬鹿にするのか?」

「今分ったのか?」

「君、喧嘩はよせよ」

と私が制した。

「君は紳士の礼儀を知らない」

「君こそ知らない。信者でもないくせに新島先生の自慢をするのは卑怯だぞ」

「何だ? 君は新島先生を知らなかったじゃないか?」

「知らない方が正直で宜い」

「…………」

「何うだ?」

「成程」

「もうやめろ」

「やめる」

と赤羽君は不得要領な男だ。大に主張するのかと思っていたら、直ぐに妥協してしまった。

安部君は新島襄先生を諦めて、

「中学部丈けが先ず世間並です。二百人近くもありましょう。僕達の級から盛んになったんです。僕達は二十人でした」

と話を旧に戻した。

「その中から六人来るんですね」