輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しょかのふしぎ

初夏の不思議

小川 未明

線上閱讀小川 未明《初夏の不思議(しょかのふしぎ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 3,669 字 · 8 頁

青空文庫

百姓のおじいさんは、今年ばかりは、精を出して、夏のはじめに、早くいいすいかを町へ出したいと思いました。

おじいさんは、肥料をやったり、つるをのばしたりして、毎日のように、圃へ出ては、

「どうかいいすいかがなりますように。」と、心の中で、太陽に祈りました。そのかいがあって、いいすいかがなりました。おじいさんは、ある朝そのすいかを車にのせて町の八百屋へ持ってゆきました。

「まあ、みごとなすいかですね。」と、それを見た、八百屋の主人もおかみさんも、びっくりしました。

「今年は、丹精のかいがあって、いいやつがなりました。」と、おじいさんは、ほくほくしました。

「それに、いつもよりか、早うございましたね。」と、八百屋の主人がいいました。

「お日さまの照りあんばいが、ばかにようございましたもので、こんなにいいやつがなりました。」と、おじいさんは、喜んで、自分の作ったすいかをながめながら、たばこをぱくぱくとすっていました。

「そうですとも、なかなかの丹精じゃありません。」と、八百屋の主人もおかみさんも、おじいさんに同情をしないものはありませんでした。

おじいさんは、すいかを八百屋に卸して、自分はまた静かな平和な村に空車を引いて帰ってゆきました。