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どうりょくかくめいとにほんのかがくしゃ
動力革命と日本の科学者
中谷 宇吉郎
線上閱讀中谷 宇吉郎《動力革命と日本の科学者(どうりょくかくめいとにほんのかがくしゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,399 字 · 27 頁
中流のやや上位の家庭で、自動車ももち、玉台も二台あったが、電燈はなかった。照明は全部ガスであった。英国人の趣味で電燈をつけないのではなく、主婦の人はいつも、「電燈があると便利なんだが」と言っていた。
この家は郊外の住宅地にあったが、ロンドン市内でもやはり、電燈のある家は、そうざらとはいえなかった。面白いことには、ロンドン・タイムズやイヴニング・ニューズのような大新聞に出る貸間の広告に、よくエレクトリック・ライティング(電燈付)というのがあった。たいてい電燈付というのを、初めに頭文字で大きく出し、そのあとに部屋の広さやベッドの数などが小さい字で出ていた。電燈がついていることに、広告価値があったわけである。
昭和三年頃の東京で、もし貸間の広告に「電燈あり」と書いたら、と想像してみると、一寸愉快である。日本だったら、恐らくよほどの僻地へ行っても、電燈のない村を探すには、骨が折れたことであろう。
ロンドンでは、キングス・カレッジに通っていたが、学校へ行って、いろいろな科学関係の雑誌などを見ていると、よく水力電気開発のスローガンが、広告面に出ていた。水力は白い石炭であるなどと、大いにホワイト・コールという言葉を宣伝していた。