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じゅうはちじのおんがくよく
十八時の音楽浴
海野 十三
線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁
そうしているうちにも、彼はガラス管の前に小首をかたむけ、熱心な眼つきで、蠕動をつづける腸をながめるのであった。
彼は文字通り寝食を忘れて、この忍耐のいる実験を継続した。まったく人間業とはおもわれない活動ぶりであった。
今朝の六時と、夕方の六時と、この二つの時刻における腸の状況をくらべてみると、たしかにすこし様子がかわっている。
さらにまた十二時間経つと、また何かしら変った状態が看取されるのであった。
実験がすすむにつれ、リンゲル氏液の温度はすこしずつのぼり、それからまたリンゲル氏液の濃度はすこしずつ減少していった。
実験第四日目においては、腸を収容しているガラス管の中は、ほとんど水ばかりの液になった。
実験第六日目には、ガラス管の中に液体は見えずになり、その代りに淡紅色のガスがもやもやと雲のようにうごいていた。
ガラス管の中には、液のなくなったことを知らぬげに、例の腸はぴくりぴくりと蠕動をつづけているのであった。
医学生吹矢の顔は、馬鹿囃の面のように、かたい笑いが貼りついていた。
「うふん、うふん。いやもうここまででも、世界の医学史をりっぱに破ってしまったんだ。