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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁

青空文庫

この奇怪な警告の発信者の棲んでいる一遊星は、いまやその寿命が十分間にきりつめられているのだという。十分間たてば、その遊星はこなごなに破壊されてしまおうというのだ。彼は驚いた。しかし次の瞬間には馬鹿馬鹿しくなってあやうく吹き出そうとしたが、思いなおして笑いをのみこむとともに、不思議な遊星からの言葉に耳を傾けたのだった。

その声は語りつづける。

「……いまから十分間後に私のすんでいる球形の世界が消滅してしまうなどというといかにも私がすこし気がふれてでもいるように思われることだろうが、私はしごくまじめでこの遺言状を放送しているのである。――遺言状の放送! 私自身すらそれがいかにもとっぴなことのように感じられるが、今のような私の境遇では遺言状を電波に変成して宏大なる空間のあらゆる方向へ発射することがもっとも有効な遺言の方法だと思う。遺言状を紙に書き岩に刻んだとて、その紙や岩をのせた球形の世界自身がいまから十分後には、粉々になってとんでしまうのだということに気がついたならば、いかにそれが無駄なことであるかに思いあたろう。とにかくこのうえは、われらが棲める球形世界以外に遺言の保存かあるいは伝達を計画しなければならない。