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じゅうはちじのおんがくよく

十八時の音楽浴

海野 十三

線上閱讀海野 十三《十八時の音楽浴(じゅうはちじのおんがくよく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 103,941 字 · 210 頁

青空文庫

だが扉は、前のようにピタリと閉まっていた。二人は相談した結果、扉を開いてみることにした。そこに番をしていた電気士がすぐに送電したので、扉は釦を押すと同時に、また前のようにスルスルと下に落ちた。

二人は室内に躍りこんだ。大爆発が起ったものと見え、あの豪華な装飾も跡はなくなって、じつに目をそむけたいような荒れ方だった。二人は床の上に、バラバラになって飛び散っている男女の腕や脚を見た。それを拾おうとして女大臣が一歩室内に足を入れたとき、ちょうど待っていたかのように、ボーッという音もろとも、床上が一面の火焔でもって蔽われた。勇敢をもってなる女丈夫アサリ女史も、こうなってはもう策の施しようもなく、その場に立ちすくんだ。床上に残っていたバラバラの手足も、すっかり火焔のなかに隠れてしまった。

ミルキ夫人と博士コハクとはかくしてアロアア区の煙と化したものと見られた。しかし爆発の種がどこにあったのかは分らなかった。しいて考えれば、博士コハクが持ちこんだとしか思われなかった。でも博士がなぜ爆薬を用意してきて、自ら爆死したのか、ミルキ閣下にはそのへんの事情がいっこう腑に落ちないのだった。