輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
なんきんむしさつじんじけん
南京虫殺人事件
線上閱讀坂口 安吾《南京虫殺人事件(なんきんむしさつじんじけん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,660 字 · 26 頁
ミス南京の告白
百合子はいらだたしげに叫んだ。
「だから、どうだって云うんです」
父の顔はひきしまった。
「警官らしい態度じゃないぞ。だから、言うまでもなく――お前、ちゃんと知ってるじゃないか。陳の庭内へ逃げこんだのは、男装した女だったに相違ない。犯人が落したのは、盗んだ南京虫ではなく、彼女自身の所持品、彼女の腕につけていた南京虫だったのだ。奈々子の腕には彼女の南京虫がチャンとまかれていたのだから、それ以外には考えられないじゃないか」
「大金持の令嬢が、人を殺して物を盗る必要はないじゃないの」
「オレも、それを考えたのだ。しかし、お前が、それほど陳の令嬢の美貌に眩惑されてしまったから、オレは新しいヒントを得たのだ。ミス南京は絶世の美女だというではないか。どうだ。それで、いくらか、分りかけてきやしないか」
「分りかけてきやしないわ」
「よし、よし。今に、わかる。とにかく、あの邸内へ逃げこんだ男の顔はオレだけが見ているのだからな。いかに黒ずんだドーランをぬたくり眼鏡をかけていても、オレが首実検すれば判ることだ」
ミス南京の告白
波川巡査は娘にだけは自分の見込みを語ったが、まだ他の誰にも打ち明けない。