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こじきものがたり
古事記物語
鈴木 三重吉
線上閱讀鈴木 三重吉《古事記物語(こじきものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 96,723 字 · 191 頁
と、おだまし申しました。
命はそれをまにお受けになって、その野原の中へはいっておいでになりますと、国造は、ふいにその野へ火をつけて、どんどん四方から焼きたてました。
命ははじめて、あいつにだまされたかとお気づきになりました。その間にも火はどんどんま近に迫って来て、お身が危くなりました。
命はおんおば上のおおせを思い出して、急いで、例の袋のひもをといてご覧になりますと、中には火打がはいっておりました。
命はそれで、急いでお宝物の御剣を抜いて、あたりの草をどんどんおなぎ払いになり、今の火打でもって、その草へ向かい火をつけて、あべこべに向こうへ向かってお焼きたてになりました。命はそれでようやく、その野原からのがれ出ていらっしゃいました。そしていきなり、その悪い国造と、手下の者どもを、ことごとく切り殺して、火をつけて焼いておしまいになりました。
それ以来そのところを焼津と呼びました。それから、命が草をお切りはらいになった御剣を草薙の剣と申しあげるようになりました。
命はその相模の半島をおたちになって、お船で上総へ向かってお渡りになろうとしました。すると途中で、そこの海の神がふいに大波を巻きあげて、海一面を大荒れに荒れさせました。