輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
乳呑子の耳の早さや雉子の声 りん女
この句の舞台に登場する者は、乳を含ませている母親と、乳を飲みつつある幼児とだけである。しずかな春の日中であろう、どこかで鋭い雉子の声がする、というので、その空気は一応描かれたことになるが、「耳の早さや」という中七字は、考えようによっていろいろに解釈出来る。
主要な登場人物の一人である乳呑子が、いち早く雉子の声を聞きつけたという点に変りはないが、ただ聞耳を立てたというだけか、あれは何の声だといって尋ねたのか、あるいは已に雉子の声の何者たるかを知っていて聞きつけたのか、そこは俄に断じがたい。乳呑子のことだから気がつくまいと思ったのに、いち早く聞きつけたというのか、母親がうっかりしているうちに、乳呑子の方が聞きつけたというのか、その点も解釈が二、三になりそうである。
けれどもここではっきりしているのは、母親の乳を含みつつある幼児の小さい耳が、いち早く雉子の声を聞きつけたということと、その耳の早さを先ず感じた者が母親だということである。女性たる作者がその母親であることも、ほぼ推定し得る。一句の眼目たる事実が動かぬ以上、その他の小さい連想は、各自の感ずるところに従って差支あるまいと思う。