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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
とあるのは、何に拠ったものかわからぬが、やはりこの句を指したものであろう。
身に入むということは、俳句では秋の季になっている。「ミニシミル」の句は前書がないと意味が十分に受取りにくいけれども、八雲のいう通り、「死んだ子を悼んでいる母の悲みを意味している」ことは想像出来る。障子の「軟かい紙へ指を突込んで破るのを子供は面白がる。すれば風がその穴から吹き込む。この場合、風は実に寒く――その母の心の底へ――吹き込むのである。死んだその子の指が造った小さな穴から吹き込むからである」という説明も、西洋人に対しては無論必要であろう。ただこの説明に従えば、この句は冬らしくなる。近頃のように障子を冬の季と限定してかかれば差支ないが、昔の句としては、やはり「身に入む」によって秋と解すべきではあるまいか。
作者不明の「ミニシミル」の句は、この「涼風」の句から生れたものかどうか、今俄に断定しがたいけれども、一句として見る場合には殆ど比較にならぬものである。実際のところ「身に入みる風」といい、「指のあと」といっただけで、子供の破った障子の穴から寒い風が吹き込むと解釈するのは、いささか骨が折れる。