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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
いずれにしても二月になってから書改めたので、それがこの句の季になっている。
つまらぬ句だという人があるかも知れない。われわれも別に大した句だとは思わぬ。明治年代にも「文月や水無月と書いて消しにけり 麦人」という句があって、『春夏秋冬』撰の時、碧虚両氏の間に議論を生じ、結局採用にならなかったと伝えられている。これも無論大した句ではないが、要はこの瑣末な事実に興味を持つか否かにある。われわれがその事実の瑣末なことを認めながら、これを俳句にした点に一種の興味を感ずるのは、自分でもしばしばこれに似たことを繰返しつつあるためであろうか。
「正月」の句と「水無月」の句とは、全く揆を一にするわけではないが、ほぼ同じような点を覘っている。但書損って消したというよりは、正の字を二に改めたのが太くなったという方が、事柄として纏っているであろう。そこに元禄の句と明治の句との相違があるといえばいえる。
出かはりや猫抱あげていとまごひ 慈竹
出代という季題は、東京などでは夙にその実がなくなった。京都あたりでは比較的近くまで、その風を存していたそうであるが、それもこの頃では如何であろうか。