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こくをみる
古句を観る
柴田 宵曲
線上閱讀柴田 宵曲《古句を観る(こくをみる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 166,028 字 · 333 頁
「ともに眠るや」では断定に過ぎる。眠っているのかいないのか判然せぬ状態、揉ませている方の意識もやや朦朧たる点が、春雨の趣に調和するのであろう。
枯蘆に雪の残りや春の鷺 怒風
これは見立の句であろうと思う。枯蘆のほとりにいる鷺の白いのを、残ンの雪に擬したので、実際枯蘆に雪が残っているわけではない。散文的に解釈すれば、春の鷺の白きは枯蘆に残れる雪の如し、ということになるわけであるが、作者は机上にこの趣向を案出したのではなく、現在眼の前に枯蘆を見、白鷺を見ているのである。そうでなしに単にこれだけの譬喩を持出したものとすれば、一箇の思いつきに過ぎぬことになってしまう。「枯蘆に雪の残りや」という十二字だけなら、あるいは枯蘆の上の残雪と解することも出来るかも知れない。ただそのあとから登場するものが白鷺なので、雪に色を奪われたのでは折角出て来た甲斐がないから、ここはどうしても枯蘆の鷺を残雪に見立てたという解釈によるべきであろう。この辺は今の句とは大分勝手の違うところがある。
尤も鷺を雪に見立てるのは、必ずしも珍しい趣向ではない。宗鑑にも「声なくば鷺こそ雪の一つくね」