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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

伝六を残してひと足さきに右門がその柳橋の川増へ行きついたときはちょうど六ツ。数寄屋橋、呉服橋、南北両ご番所の同役同僚たちの顔が、もう八分どおり座に見えました。

与力、同心、岡っ引き、目明かし、手先、慰労の宴の無礼講だから、むろん席に上下の差別はない。正面床の前に六曲二双の金びょうぶを晴れやかに立てめぐらして、その前に大輪、糸咲き、取りまぜてみごとな菊が大小十はち、左右にずらりと居流れた顔がまた江戸の治安を預かりつかさどる町方警吏だけに、いかめしくもものものしいのです。

まもなく酒が運ばれました。

灯影に女たちのなまめかしい裳裾がもつれ合って、手から手へ、一つは二つと杯が飛びかい、座もまたようやく陽気の花をひらきはじめました。

しかし、どうしたことか、とうにもう来なければならないはずなのに、伝六がなかなか姿を見せないのです。

「おかしいのう。これよ、女」

「なんでござんす」

「川増というのは、このあたりでこのうち一軒であろうな」

「いいえ、あの……」

「まだあるか?」

「ござります」

「なに! ある!――やはり料亭か」

「いいえ、絵双紙屋でござんす」

「アハハハハ。