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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

船頭の腰にもまた奇怪なことにしめなわが見えました。

船頭!

船頭!

首尾の松につるしてあったのも、まさしくその船頭なのです。

「舟だ。急いで一丁仕立てろッ!」

「がってんでござんす」

車輪になって伝六が見つけてきた二丁艫の伝馬に飛び乗ると、

「あの七艘じゃ。見とがめられぬよう追いかけろッ」

ぴたりと舟底に身をつけて、見えがくれにあとを追跡しました。

それとも知らず、七艘の不思議な舟は、不思議な女をひとりずつ乗せながら、艫音をころして岸伝いにひたすら上へ上へと急ぎました。

永代橋をくぐって新大橋、新大橋をくぐって両国橋、やがてさしかかってきたのは、なぞのあの五人をつるしてあった首尾の松です。

十日の月が雲をかぶって、大川一帯はおぼろ宵の銀ねずみでした。

前後しながらのぼっていった奇怪な舟は、その首尾の松へさしかかると、七艘ともに、するりと舳を右へ変えて、そこの横堀を奥へ、ぐんぐんと進みました。

右は松前志摩守、左は小笠原家の下屋敷、どちらを見ても、人影一つ灯影一つ見えない寂しい屋敷ばかりで、突き当たりはまた魔の住み家のような、広大もない本所お倉の高い建物なのです。