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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

あのときの目もよくない。ゆうべちゃんはどこへ行ったときいたとき、けわしくねめつけた父親のまなざしも疑惑を強める種なのです。

世間にありがちな例のごとく、まま子いじめに耐えかねて子どもたちふたりが絞め殺したのを、知りつつ父親がおおいかくしているとも考えられるのでした。

あるいは、父親が使嗾して、子どもたちにまま母を殺させたとも考えられるのです。

「それにしては、わざわざ知らせにあの子どもが来たのがおかしいな。ふたりとも、なかなかかわいいからな」

「え? なんとかいいましたかい。あっしがかわいいっておっしゃるんですかい」

「うるせえや。黙ってろ」

「ちぇッ、黙りますよ。黙りますとも! ええ、ええ、どうせあっしゃかわいい子分じゃねえんでしょうからね。もうひとことだって口をきくもんじゃねえんだから、覚悟しておきなさいよ」

聞き流しながら、ひょいと見ると、はしなくもそのとき、名人の目を強く射たものがある。

ふろおけのすえてある反対側の羽目板の高いところに、すすでよごれた手の跡が、あちらとこちらに飛び離れて、はっきりと二つ残っているのです。

しかも、二つとも明らかに、子どもの手の跡なのでした。