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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
栄五郎め、内職にこんなものをかいたはずあねえんだ。お中元用の配り物に新花屋のこの女から頼まれて、ちっとばかり鼻毛をのばしながら、せっせとかいたもんだよ」
「パカにしちゃいけませんよ。あっしだって字も読めりゃ、絵も読めるんだ。たいそうもなくいばって、この女、この女とおっしゃいますが、この女の顔がどこにかいてあるんですかい」
「あきれたやつだな。こないだじゅう少しりこうになったかと思ったら、またよりがもどりやがった。この絵をよくみろい。咲きみだれた小菊がどれにもかいてあるじゃねえか。両国新花屋小菊と申す女でござります、といわず語らずにこの絵でちゃんとご披露しているよ。きっと、栄五郎のやつ、この女にはまり込んでいるにちげえねえ。新花屋を当たりゃ野郎の足がつかあ。早くしたくしな」
「なるほどね。おつりきな読み絵をかいていやがらあ。さあ来い。ちくしょうッ。――駕籠屋! おうい! 駕籠屋!」
飛び出したら早い。
神田代地から両国河岸までは、柳原の土手伝いにまっすぐ一本道です。このごろできた岡場所と伝六がホシをさしたとおり、河岸っぷちに怪しげな家が七、八軒看板を並べて、新花屋というのはその三軒めでした。