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うもんとりものちょう

右門捕物帖(四)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁

青空文庫

こういうご大家へ来ると、伝六はからきし板につかねえんだ。小さくなっていますからね。はええところ虫干しでもおせんたくでも、遠慮なくおやりなせえよ」

ことごとに鳴り場所を見つけてはいらざる口を出す伝六には取り合おうともしないで、いつも忘れぬあの右門流です。まずじろじろと座敷のうちの器具調度、ひととおりのものに鋭い目を向けました。お冬の慶事がどんなに盛大であったか、その夜のはなやかさを今も物語って、床の間には数々のお祝い物がうず高く積んであるのです。

「おめでたがござりまして、なによりでござったな」

「おかげさまで……お用談はそれについて何か……?」

「さよう。なぞが解けるまではちと他聞をはばかるが、血を分けたお姉御ならばさしつかえもあるまい。お冬どのに変なことがござってな」

「なんでござりましょう?」

「知らぬまに、二の腕へいれずみが降ってわいたのじゃ」

「ま!……あの子が? あの子の膚に! どんな、どんないれずみでござりましょう!」

「喜七いのちと、五文字の浮かし彫りじゃ」

「喜七!」

「ご存じか!」

「いいえ、存じませぬ、知りませぬ。似通った名まえの者さえも、あの子の知り人にはござりませぬ。