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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(四)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 167,105 字 · 337 頁
当夜出入りの者の名をしらべるには、これに越したものはない。
黙って立ち上がって手にすると同時に、まず目を射たのは、親戚招客ご芳名とある文字でした。これがざっと六十一名、喜右衛門、喜太郎と似た名まえがふたりあったが、喜七というのはどこにも見当たらないのです。
つづいて町内招客ご芳名とあるのが十六名、おてつだい衆とあるのが十一名。
しかし、そのいずれにも喜七なる名まえは皆無でした。
「ないか!」
「狂いましたかい」
どうやら、狂いかけたらしいのです。どうやら、眼は横へそれかかったらしいのです。伝六の声が乗りだしました。
「さるも木から落ちるんだからな。それに、この夏場じゃ知恵袋にもかびがはえますよ」
「黙ってろ。お秋どの!」
「あい」
「いかにも不思議じゃが、当夜はお冬どののお身のまわり、だれがおやりなさった」
「わたくしでござります。たったひとりのかわいい妹、日ごろわたくしが母代わりになっておりましたゆえ、当夜もこのわたくしが片ときも目を離さず、なにから何まで世話をしたのでござります」
だのに、障子の穴からにゅっと手が出たとすれば、怪奇の雲はいよいよ怪奇な雲に包まれてきたのです。