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こどものかなしみ

号外・少年の悲哀 他六篇

国木田 独歩

線上閱讀国木田 独歩《号外・少年の悲哀 他六篇(こどものかなしみ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 28,584 字 · 59 頁

青空文庫

「どうかごゆっくり。」と徳さんの武もこのほかに挨拶のしようがない。ただあきれ返って、しょうことなしに盤面を見ていた。

「徳さんは碁が打てたかね。」と叔父は打ちながら問うた。

「まるでだめです。」

「でも四つ目殺しぐらいはできるだろう。」

「五目並べならできます。」

「ハハヽヽヽヽ五目並べじゃしかたがない。」

「叔母さんが碁をお打ちになることは、僕ちっとも知りませんでした。」

「わたしですか、わたしはこれでずいぶん古いのですよ。」と叔母は言ったが振り向きもしない。

「しょっちゅう打っていらっしゃったのですか。」

「いいえ、やたらに打ちだしたのは此家へ引っこんでからですよ。――ちょっとこれを待ってちょうだい。」

「なりません。」と石井翁、一ぷくつけてスパリスパリと悠然たるものである。

「だってこの切断は全くわたしの見落としですもの。」

「だからさっきから、わしは「待ちませんよ、」「待ちませんよ」と二三度も警告を発しておいたじゃないか。」

「待ちませんはあなたの口癖ですよ。」

「だれがそんな癖をつけました、わたしに。」

武は思わずクスリと笑った。

「それじゃどうあっても待ってくださらんの。