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みょうじのはなし
名字の話
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《名字の話(みょうじのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,823 字 · 46 頁
日本における昔の命名慣習
などを見ても人の名を呼ばずに、「王十一の某処に往くを送る」という題があります。この十一は同族間の長幼の順序が、十一番目ということであります。かくのごとく通例数字ばかりで呼ぶけれども、また時としては郎の字を付けることもありました。郎は「むすこさん」という意味であります。則天武后の臣下に張某という非常に美わしい男がありました。そこである人はこの人に媚びて「三郎は蓮花に似たり」というたところが、またある者が「蓮花が三郎に似たるなり」といったという話もあります。この三郎はすなわちその例であります。
日本における昔の命名慣習
日本の太郎・次郎も、あたかも唐朝文明の輸入の際でありましたからして、支那風を真似たのであります。それ以前はどんな風に呼んでおったか、明白ではありませぬが、皇族の字として稚郎子、仲大兄などと称えたのを見ると、ほぼ想像することができるのであります。太郎・次郎等の漢音の行われた後も、女子については久しい間この風がありました。たとえば長女は大子、次女は中子、三女は三子、四女は四子と呼んだようであります。女についてはことに名を呼ぶのを避けたらしく思われます。