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あづまばし
問はずがたり・吾妻橋 他十六篇
永井 荷風
線上閱讀永井 荷風《問はずがたり・吾妻橋 他十六篇(あづまばし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 75,586 字 · 159 頁
それから現金の支払は本が売出されてから三箇月後だと云うはなしをされ、まるで此方から無理に頼んで出版して貰ったような話だと思ったがお金の事で愚図愚図云うのはいやだから私の方では何にも云いませんでした。画家の謝礼を著者が支払うなんて云う事は馬琴北斎のむかしから聞いた事のない話です。「※(「さんずい+(壥-土へん-厂)」、第3水準1-87-25)東綺譚」の表紙の意匠は私がしたのですがこれについて本屋は別に謝礼も何も寄越しはしませんでした。
戦争後は新しい出版屋が数知れず出来ました。一しきり新生社の雑誌に寄稿したのは文壇に関係のない方面から紹介されたからです。しかし誤植が多いので段々いやになって書かなくなったのです。鎌倉文庫は初に川端さんが来ての話だったから単行本の出版を承諾したのです。しかし印税の支払になると現金の中へ第二封鎖の小切手をまぜて寄越すような事をするのでその後は用心して一切関係しない事にしています。今日まで多年の経験から考えて見ると、出版商と出版の話をするには直接に応接するのは大に損です。文学も芸術も商品に下落してしまい、自分も印税でおまんまを食うようになったら法律に明い代理人を頼んで出版の掛合をして貰うのが一番良いと思います。