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ぜんのけんきゅう
善の研究
西田 幾多郎
線上閱讀西田 幾多郎《善の研究(ぜんのけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,777 字 · 243 頁
かく判断の本には純粋経験がなければならぬということは、啻に事実に対する判断の場合のみではなく、純理的判断というような者においても同様である。たとえば幾何学の公理の如き者でも皆一種の直覚に基づいている。たとい抽象的概念であっても、二つの者を比較し判断するにはその本において統一的或者の経験がなければならぬ。いわゆる思惟の必然性というのはこれより出でくるのである。故に若し前にいったように知覚の如き者のみでなく、関係の意識をも経験と名づくることができるならば、純理的判断の本にも純粋経験の事実があるということができるのである。また推論の結果として生ずる判断について見ても、ロックが論証的知識においても一歩一歩に直覚的証明がなければならぬといったように(Locke, An Essay concerning Human Understanding, Bk. IV, Chap. II, 7)連鎖となる各判断の本にはいつも純粋経験の事実がなければならぬ。種々の方面の判断を綜合して断案を下す場合においても、たとい全体を統一する事実的直覚はないにしても、凡ての関係を綜合統一する論理的直覚が働いている(いわゆる思想の三法則の如きも一種の内面的直覚である)。