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ぜんのけんきゅう

善の研究

西田 幾多郎

線上閱讀西田 幾多郎《善の研究(ぜんのけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 123,777 字 · 243 頁

青空文庫

第三章 実在の真景

今日我々の感覚の差別もかくして分化し来れるものであろう。ヴントは感覚の性質を次元に併べているが(Wundt, Grundriss der Psychologie, §5)、元来一の一般的なる者が分化して出来たのであるから、かかる体系があるのだと思う。

第三章 実在の真景

我々がまだ思惟の細工を加えない直接の実在とは如何なる者であるか。即ち真に純粋経験の事実というのは如何なる者であるか。この時にはまだ主客の対立なく、知情意の分離なく、単に独立自全の純活動あるのみである。

主知説の心理学者は、感覚および観念を以て精神現象の要素となし、凡ての精神現象はこれらの結合より成る者と考えて居る。かく考えれば、純粋経験の事実とは、意識の最受動的なる状態即ち感覚であるといわねばならぬ。しかし此の如き考は学問上分析の結果として出来た者を、直接経験の事実と混同したものである。我々の直接経験の事実においては純粋感覚なる者はない。我々が純粋感覚といっている者も已に簡単なる知覚である。而して知覚は、いかに簡単であっても決して全く受動的でない、必ず能動的即ち構成的要素を含んで居る(この事は空間的知覚の例を見ても明である)。