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そうせきしとわたし

回想 子規・漱石

高浜 虚子

線上閱讀高浜 虚子《回想 子規・漱石(そうせきしとわたし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,187 字 · 231 頁

青空文庫

は一切筆を取らないと定めたようであった。これは創作が道楽でなくなって職業となり原稿紙に向うことに興味の念の薄くなって来た以上止むを得ぬ傾向と言わねばならなかった。私もこれを強いて要望する気にもならなかった。

私が『国民新聞』のために国民文学を創めた当時は能く漱石氏の談話筆記を紙上に載せた。また漱石氏を芝居に引ぱって行ってその所感を聞きとるような事もした。しかしそれも間もなく『東京朝日』紙上に朝日文芸欄が出来るようになってから中絶せねばならなかった。それは新聞そのものの立場から国民文学と朝日文芸とは自然対立しなければならぬ性質のものであったからである。数年前の漱石氏は創作の方面の直接の友としては全く私一人を有しているに過ぎなかったのであったが、この頃の漱石氏はその数多い門下生諸君と朝暮接触してそれらの人々のために謀ってやらねばならぬ止むを得ざる立場に立っていた。朝日文芸欄もそれらの要求から生れ出たものであったらしく、それが私の受持っている仕事と対立せねばならぬようになった事は残念なことであった。けれどもそれらは決して私と漱石氏との間を疎々しくするほどの大事件ではなかった。