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とさのくにばしら

土佐の国柱

山本 周五郎

線上閱讀山本 周五郎《土佐の国柱(とさのくにばしら)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 17,375 字 · 35 頁

青空文庫

……貫島さまがあんなでは、他の方々はどれほどかと考えまして、些か心懸りに存じられます」

「喜兵衛が探りに寄来したのだ」

小弥太は坐って、

「……それが分っているから、態と手厳しく云って置いたまでだが、喜兵衛には一筆書いてやらねばなるまい。それより調べの方はどうだ」

「矢張りおめがね通りでございました」

金右衛門は縁先に坐った。

「……正念寺に集った者五人、分ったのはその内二人ですが、一人は朝倉の幸田久左衛門、一人は安芸の住江宮内でございます」

「住江宮内、……それは大物だな」

「他の三人はどうしても分りませんでしたが、そのなかに槇島玄蕃頭という名が見えました。これは関ヶ原で治部どの(石田三成)の旗下に働いた玄蕃頭ではないかと思われますが」

小弥太は黙って頷いたが、その眼は明かに深い感動の色を表わしていた。

「……或は、そうかも知れぬ」

「高閑さまの応待ぶりからみましても、私はそれに違いないと考えられました。――いったい、ああして諸方の豪族たちと密会して、高閑さまはなにをなさるお積りなのでございますか。土地の豪族ばかりでなく、関ヶ原の残党まで加わっているというのは、全く……」