輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《塔上の奇術師/鉄人Q(とうじょうのきじゅつし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 151,766 字 · 303 頁
丸伝という時計屋さんは、よほどかわった人だったとみえて、じつにふしぎなたてものです。すみのほうに、れんがの円塔がくっついていたり、たてものぜんたいがでこぼこで、屋根も、いくえにもかさなりあっていて、むかしの西洋のお城みたいな感じです。
窓はみんな小さくて、部屋の中は、昼間でも、うす暗いにちがいありません。
あき家だというけれど、なにかへんなものが住んでいて、いまにも、あの小さな窓から、ひょいと顔を出すのではないかと思うと、いよいよきみがわるくなってきます。
「もう、帰りましょうよ。日がくれるわ。ごらんなさい、むこうの空が、まっ赤に夕やけしてる。まあ、きれい。」
マユミさんは、うしろをふりかえって、林のむこうの空をながめました。
西の空は、いちめんの血のような色にそまっていました。それが、前の時計やしきに反射して、赤れんがのたてものが、まるでよっぱらいの顔のように、きみわるく見えるのでした。
そのとき、森下トシ子ちゃんが、なにを見たのか、ギョッとするような声をたてました。
「アラッ! ごらんなさい。あそこ。時計塔の屋根の上よ。ほら、なんだか動いている……。