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「だん」のかいたい

増補 美学的空間

中井 正一

線上閱讀中井 正一《増補 美学的空間(「だん」のかいたい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 21,324 字 · 44 頁

青空文庫

かく考える時、画布の二次元性は決して、物理的二次元性ではない。新たに構成されはじめる芸術的な生きた二次元性である。白い画布は、無限に流れてやまない時間の中に、自分が自分に問かける「疑問記号」に外ならない。

存在に対する問の設立として、私達は白い画布をかけるとも云えるのである。方向と範囲を定めた「距離」の生きたしるしとなるのである。

この一定の方向が自由になり、範囲が自由となり、この距離が動きはじめる時、この芸術的空間が彫刻となって来るのである。美術館の所謂物理的三次元性と、彫刻の芸術的三次元性は対応したものはもっていても、同じ空間性の中には生きてはいないのである。「影」と「動いている姿」の差があると云えるであろう。

この絵画と彫刻の二次元性と三次元性との差は、文学の世界では、小説と戯曲の上に現われて来ると云えるであろう。

例えば、小説で取扱うところの「気持が好い」と云う言葉の取扱いを考えて見よう。この言葉に対するにあたって、如何なる方向によって、如何なるワクの中でこれをとられ得るかという場合、「気持が好いと云いなすった」「気持が好いと云った」「気持が好いとぬかした」