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へんじんでん
変人伝
佐々木 邦
線上閱讀佐々木 邦《変人伝(へんじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,178 字 · 21 頁
「博士になってからでしょう」
「その問題は別として、早く貰わせる法はないだろうか? グズ/\していると、大野家の跡が絶えてしまう」
「それは私も考えていますわ。今までも度々勧めたんですけれど」
「今度は俺が出馬する。丁度好いのがあるんだ」
「女学校の先生?」
「うむ」
「安井さんじゃありませんか?」
「然うだ。この間世間話をしながらそれとなく訊いて見たら、永久に独身でいるつもりでもないらしい。三十を越しているから、お嫁さんとしては若い方じゃないが、お婿さんだってもう好い加減薹が立っている。何だか縁がありそうに思えて仕方がない」
「あなたからなら利き目があるかも知れませんわ。宜しくお頼み致しますよ」
と母は納得した。
父は国漢の先生だから、文章が得意だ。長文を認めて送った。僕は出しに行って、用心の為めに切手を三枚貼った覚えがある。しかし返事が来なかった。此方は早手廻しに写真が貰ってあったから、それを添えて、もう一遍勧めた。今度は折り返して、叔父から写真が着いた。
「到頭落城したぜ」
と言って、父が開けて見たら、此方から送った写真だった。而もインキで髭が書き入れてあった。