輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
あにきのようなこころもち
大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ
線上閱讀芥川 竜之介《大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ(あにきのようなこころもち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 22,007 字 · 56 頁
しかも議論の問題となるものは純粋思惟とか、西田幾太郎とか、自由意志とか、ベルグソンとか、むずかしい事ばかりに限りしを記憶す。僕はこの論戦より僕の論法を発明したり。聞説す、かのガリヴァアの著者は未だ論理学には熟せざるも、議論は難からずと傲語せしと。思うにスヰフトも親友中には、必恒藤恭の如き、辛辣なる論客を有せしなるべし。
恒藤は又謹厳の士なり。酒色を好まず、出たらめを云わず、身を処するに清白なる事、僕などとは雲泥の差なり。同室同級の藤岡蔵六も、やはり謹厳の士なりしが、これは謹厳すぎる憾なきにあらず。「待合のフンクティオネンは何だね?」などと屡僕を困らせしものはこの藤岡蔵六なり。藤岡にはコオエンの学説よりも、待合の方が難解なりしならん。恒藤はそんな事を知らざるに非ず。知って而して謹厳なりしが如し。しかもその謹厳なる事は一言一行の末にも及びたりき。例えば恒藤は寮雨をせず。寮雨とは夜間寄宿舎の窓より、勝手に小便を垂れ流す事なり。僕は時と場合とに応じ、寮雨位辞するものに非ず。僕問う。「君はなぜ寮雨をしない?」恒藤答う。「人にされたら僕が迷惑する。だからしない。