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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 頁
「うむ、あれは貰ったよ」
「では、築城と石炭のことを書いた翻訳書が二三冊ございますが……」
「築城と石炭――それは少し困る、何かほかに向うの歴史、風俗、絵のことなどがわかるといったような書物はないかい」
「左様――」
亭主はあれかこれかと店と書棚を見廻し、
「ここに一冊、唐人往来というのがございます……」
「何だい、それは――」
「この通り写本でございますが、これになかなか、あちらのことが詳しく書いてあって面白いと皆様がおっしゃいます」
「どれ――」
田山白雲は二十枚綴ばかりの写本を、亭主の手から受取りました。
「唐人往来――誰が書いたんだ」
「どなたがお書きになりましたか、なかなかあちらのことに詳しいお方がお書きになって、出版はなさらずに、こうして写本で、諸方へ分けてお上げになったのでございます」
「江戸、鉄砲洲某稿としてある、面白そうだ」
白雲はそれを買い求める気になりました。
白雲はその書物を買って来て両国橋の仮寓へ帰り、即日その書物を読みはじめましたが、実に、こんな面白い本はないと思いました。
彼は面白い本を求めて、求め得たのです――といっても、それは自分の求める西洋の美術知識のことなんぞは一言も書いてはありませんが、僅かの小冊子の間に、西洋というものの輪廓を描いて人に知らしめる上には、こんな、痒いところへ手の届く