輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,374 字 · 345 頁
を将軍の膝元で見過して置く法はない」
こう思って睨みつけてはみたが、神尾の力で、今どうしようというわけにもいかない。いまに見ろ、眼に物見せてやる時が来るぞ。
薩摩という奴、怪しからぬ奴だ。松平薩摩守で、徳川御一家待遇にあるのみならず、将軍とは切っても切れぬ縁組みの間柄であるのに、幕府を軽蔑しきっている。薩摩が増長しているというよりも、幕府の役人共に意気地がないからだ。幕府の上役共、何か大事が起ると、自分の力で決断し兼ねて、薩摩へ持込む。薩摩守がこうだと言えば、大抵はその方に事がきまる。歯痒い。というのは、老中共が三家あたりへ押しが利かない、そういう時は、薩摩守も同意でござる、と言うと、三家も屈伏するというていたらく。だからいよいよ薩摩を増長させる。このごろの増長ぶりでは、どうやら徳川家を倒して、次の天下を乗取ろうとは言語道断。いずれはこの邸からブッつぶしてかからぬことには、天下の見せしめにならぬわい。
そういうことを、神尾が心肝にこたえつつ、そこを引返して品川へ出ると、海岸の茶屋で、蛤を焼かせて一杯飲みながら、海を見ると、さすがに気がせいせいするが、お台場を見ると、また癪だ。