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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁
「人に斬られる島田ではないが……」
と言って高橋伊勢守も静かに立ち上る。
まもなく楠屋敷の門を、陣笠に馬乗羽織、馬に乗った伊勢守の側に清川八郎がついて、雪を蹴立てて走り出すと、従五位の槍の槍持がそれに後れじと飛んで行く。
三十一
高橋伊勢守と清川八郎とが馳せつけた時は、新坂下は戦場のような光景で、気合の声は肉を争う猛獣の吼ゆるが如く、谷から山に徹える、雪と泥とは縦横に踏みにじられた中に、右に左に折重なって斃れた人の身体が五つ六つは一目に数えられる、血の香いはぷんとして鶯谷に満つるの有様です。
塀を背後に平青眼に構えて、前には少なくともまだ十人の敵を控えた島田虎之助の姿を見るや、清川八郎が太刀を抜いて新徴組の中へ切り込もうとするのを、馬から下りて従五位の槍を槍持の手から受取った高橋伊勢が、
「人に斬られる島田でない、ここにて見物せられい、差出でては邪魔になる」
清川を制して、
「仙助、この提灯を持て」
提灯を上げると、そこらあたりが薄月の出たほど明るくなる。
「エイ!」
島田の気合。バタバタと雪に倒れるもの二人。
「エイヤ!」
新徴組の入り乱れた気合。