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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁

青空文庫

「心配をおしでない、これからお前の身の上はわたしが引受けるから」

と伯母が言ったが、これはあまり押しの利いた言葉ではないのですけれども、こうなってみれば、さしあたりこの人を頼りにせねばなりません。

幸い、一軒置いた隣が明いていたから、与八とお松とはそれを借りて隠れるということに、その夜のうちに相談がきまりました。

その翌朝になると、お松の頭が重くて熱がある。つとめて起きてみたけれども、ついに堪えられないで、どっと寝込んでしまいました。

お滝もやって来て心配そうな面をするが、それよりも与八の心配は容易なものではないのです、医者を呼ぶことはよしてくれと、逃げて来た手がかりを怖れてお松が頻りに止めるものだから、

「それでは風邪薬でも買って来べえ。それ、蒲団を頭のところからよく被っていねえと隙間から風が入る」

与八はお松に夜具を厚く被せてやって、風邪薬を買いに出かけると、それと行違いのようにやって来たのが伯母のお滝です。

「お松、気分はいいかい、さっき持たしてよこした玉子酒を飲んでみたかい」

「はい、どうも有難うございました」

「与八さんはどこへ行ったの」

「買物に行きました」