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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁

青空文庫

「それじゃ済まねえ」

「てめえは馬鹿だな、本人の俺が十八文でいいというのだから、十八文おいて帰ったらいいじゃねえか」

「それは先生が馬鹿だ、半月も診てもらったり薬を飲ましてもらったりして、そのおかげさまで病人がすっかり癒って、そうしてお礼が十八文で帰れるか、よく考えてごらんなさい」

「馬鹿野郎、手前は十八文おいて帰ればいいのだ」

「でもね先生、そんなに怒らずにお聞きなすって下さいよ、わしが家へ帰って、道庵先生に薬礼をいくら差上げて来たと聞かれた時にね、十八文おいて来ましたとは言えなかんべえ」

「うるさい野郎だな、十八文おいてさっさと帰れ!」

「それじゃ先生、一両おいて行くべえ」

「何だ一両だ? てめえ一両なんという金をどこから盗んで来た!」

「盗んで来たあと? この野郎、先生野郎」

与八はムキになって怒り出しました。

「俺、人の物を塵一本でも盗んだ覚えはねえ、飛んでもねえことを言わねえ方がよかんべえ」

「盗んだに違えねえ」

道庵先生が首を振ると、与八はいよいよ怒り出し、

「ほかのこととは違うだんべえ、物を盗んだと言われちゃあ俺が面が立たねえ」

「ナニ、盗んだに違えねえ」