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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠1(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,314 字 · 398 頁
お浜が邸を出るまでは、そんな考えはなかったが、女が門を出てから、どうしてもこの女をただ帰せないという考えが勃然として起ったので――竜之助の心には石よりも頑固なところと、理窟も筋道も通り越した直情径行のところと、この二つがあって、その時もまた、初めは理を説いて説き伏せたところが、あとはまるで形なしのことをやり出した。
それでやはり女のことを考えてみています。
九
机の家に盗難のあったその翌朝のことです。沢井から三里離れた青梅の町の裏宿の尋常の百姓家の中で、
「おじさん、昨夜はどこへ行ったの」
炉の火を火箸で掻きながら、真黒な鍋で何か煮ていた女の子、これは先日、大菩薩峠で救われた巡礼の少女でありましたが、おじさんと呼ばれた人はまだ寝床の中に横たわっていたが、ひょいと首をもたげて、
「ナニ、どこへも行きはしないよ」
その面を見れば、これはかの峠で火を焚いて猿を逐い、この巡礼の少女を助けた旅の人でありました。
「でも夜中に目がさめると、おじさんの姿が見えなかったものを」
こう言われて主人は横を向いて、
「ああそれは、雨が降ると困るので裏の山から薪を運んでおいたのだ」