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だいぼさつとうげ
大菩薩峠10
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠10(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 285,635 字 · 558 頁
それだのに、腕はお父さんよりもすぐれているということですから、眼中に人のないのも慢心とばかりはいえますまい、人も許し、われも許していたのですが、お父さんばかりは、最後まで許さなかったと申します」
「なるほど」
「そのうちに、あの人が実地に人を斬ることを覚えるようになりました……今になれば、それが思い当ることばかりですが、その時分、そんなことを知った者は一人だってありゃしません」
雲衲は伏目になって、燼の火を見ながら語りつづける。
「そこで、わたしは、今でも思い出してゾッとするのですが、竜之助さんが九ツの時でした、その時分はよく子供らが集まって、多摩川の河原で軍ごっこをしたものですが、ある時、あだ名をトビ市といった十三になる悪たれ小僧が、それがどうしたことか、竜之助さんの言うことを聞かなかったものですから、竜之助さんが手に持っていた木刀で、物をもいわず、トビ市の眉間を打つと、トビ市がそれっきりになってしまいました……子供らはみんな青くなって、河原に倒れたトビ市をどうしようという気もなくているところへ、漁師が来てお医者のところへかつぎ込みましたが、とうとう生き返りませんでした……それでも後は無事に済むには済みました、が、その時から、子供たちも、竜之助さんの傍へは近寄らないようになりました。