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だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠11(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 368,567 字 · 720 頁

青空文庫

まして、お客分として、この名古屋の城下へ来た道庵先生ではなく、注意人物の嫌疑者として、地下の獄に投ぜらるべく拘引されて来たはずの先生が、一躍して、天守の上へ舞い上って来ているということは、返す返すも、あざやかな脱線ぶりで、それを見る者、唖然として口のふさがらないのは無理もありません。

しかし、道庵自身にとって見れば、実にいい気なものです。

第一、あの気取り方をごらんなさい。

突袖をして、反身になって、あの四方窓から中原の形勢を見渡したキザな恰好をごらんなさい。天下の英雄、使君、われといったような得意ぶりを御覧なさい。

「これはいい、全く中原の形勢を成している、英雄起るところ山河よし、とはこの事だ。第一、せせっこましいところが無え、中原が開けて、海が近く、山が遠い。信長の野郎も、秀吉の野郎も、こんなところで生れたから、人間がこせこせしていねえ。濃尾の平野が遠く開けて、木曾川がこんこんとして流れ、山はあれども無きが如し、出っぱったところが岬で、引っ込んだところが港だ」

と大きな声で言いました。

濃尾の平野遠く開けてはいいが、木曾川がこんこんとして流れという、その、こんこんという字は、どれを嵌めたら適当か。