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だいぼさつとうげ
大菩薩峠2
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠2(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 195,601 字 · 387 頁
「こんな結構な印籠を、お前どこから持って来たえ、拾ったのかえ、どこで拾ったの」
犬は神妙に首を俛れております。
「これは並大抵の人の持つ品ではない、きっと立派なお侍さんの持物だよ、御番所へお届けをしよう。でもこれから帰るのもなんだかおっくうだから、明日の朝にしましょう、明日の朝、少し早く起きて、出がけに御番所へ届けるとしましょう」
お玉は、その印籠をまた懐中へ入れますと、前に備前屋で女衆から頼まれた手紙と金包とに気がついて、今宵は懐の重いことをいまさらに感づいたようでした。
「おや、足の方は泥だらけになって。それにお前、怪我をしているね。おや、この顋のところから血が……」
大した怪我ではないが、ムクはたしかに怪我をしている。
「洗って上げるからおいで、そこの流れで洗って、創を巻いて上げるから」
六
お玉が帰ってからその晩は無事でありましたが、朝になると、備前屋の楼上で二つの大変が持ち上りました。その一つの大変は、ゆうべ音頭を見て、間の山節を聞いて、酔うて寝た五人づれの侍が朝起きて見ると、一人残らず懐中のものを奪われていることでありました。