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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

「おいおい、待て待てこの野郎、背はちんちくりんだが、どこまで人を食った野郎だか知れねえ、いよいよ癪にさわる言い草だ、待て」

金助は米友の筒袖を引張って、引留めました。

「そんなに引張らなくってもいいや、逃げも隠れもしやしねえよ、何か言い草があるなら、うんとこさと言いねえな」

かかる場合に、決してわるびれる米友ではありません。

「言わなくってどうする、今の言い草をもう一ぺん言ってみろ、本来なら貴様が突き倒されてしまうところを、危ねえ! と思ったから左へよけて、貴様の身体は無事だったが、こっちがそのハズミを食って身代りに倒れたとは何の言い草だ、左へよけて身体の無事であった方は無事でよかろうけれど、身代りに倒された方こそいい面の皮だ、この面の皮をいったいどうしてくれるんだ」

金助はこう言いながら、グイグイと米友の着物を引張りました。

「おい、あんまり引張るなよ、質の値がさがらあな、着物を引張らなくっても文句は言えそうなもんだ」

米友は仕方がなしに引き寄せられていると金助は、いよいよ怒り出して、

「この野郎、いやに落着いていやがら。いったい、人を転がしといて、身代りに倒れたで済むか、この野郎」