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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁
その妾宅が出来上ると盛んなる披露の式がありました。集まる者、朝野の名流というほどでもなかったけれど、多種多様の人が集まって、万歳の声が湧くようでありました。それを聞いて道庵先生は、火のように怒ってしまいました。その後とても、毎日毎日、鰡八大尽の妾宅へ詰めかける朝野の名流(?)は少ない数ではありませんでした。その門前の賑やかなことは長者町はじまって以来の景気であります。ところが道庵先生の方は、相変らずの十八文でありました。その門を叩く人も十八文に準じた人で、朝野の名流などはあまり集まらないのであります。
今まで十八文で売っていた道庵先生、長者町といえば酔っぱらいの道庵先生と受取られるほどの名物であった先生が、鰡八大尽の妾宅が出来てからというものは、その名物の株を奪われそうになったのであります。道庵先生が憤慨するのも道理がないわけではありません。鰡八大尽の方とても、ことさらに道庵先生の隣を選んで普請をはじめたわけではなかろうけれど、偶然にそうなったことがおかしなものでありました。ことに門が崩れ、塀が破れ、家が傾いた先生の屋敷の地境へ持って行って、宮殿を見るような大きな建築が湧き出し、その楼上で朝野の名流だの、絶世の美人だのが豪華を極めるところを、道庵先生が、縁側で薬草などを乾かしながら見上げている心持は、