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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

「先生、どうも御無沙汰をしちゃった」

感心なことに米友は、木綿でこそあれ仕立下ろしの袂のついた着物を着ていました。これは与八の好意に出でたものでありましょう。

ここで道庵と米友との一別来の問答がありました。道庵は道庵らしく問い、米友は米友らしく答え、かなり珍妙な問答がとりかわされたけれど、わりあいに無事でありました。

「友公、実はおれもひどい目に逢ってしまったよ」

道庵が最後に、道庵らしくもない弱音を吐くので、米友はそれを不思議に思いました。米友の不思議に思ったのはそれだけではなく、この話の最中に、いつも道庵が両手を上げないでいる恰好が変であることから、よくよくその手許を見ると、錠前がかかって金の輪がはめてあるらしいから、ますますそれを訝って、

「先生、その手はそりゃいったい、どうしたわけなんだ」

と尋ねました。

「これか」

道庵は、手錠のはめられた手を高く差し上げて米友に示し、待っていましたとばかりに、舌なめずりをして、

「まあ米友、聴いてくれ」

と前置をして、それから馬鹿囃子と水鉄砲のことまで滔々と、米友に向って喋ってしまいました。

これは道庵としては確かに失策でありました。