輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

駒井能登守が甲府を落ちた時は、ともかくも明確に甲府を立退いたけれど、神尾の家が甲府から消えたのは行燈の立消えしたようなものであります。

駒井能登守の屋敷あとには草がいや高く生え、神尾主膳の焼け跡ではまだ煙が燻っている時分、甲府の町へ入り込んだ二人の旅人が、神尾の焼け跡を暫く立って見ていたが、

「神尾の屋敷もああしたものだろうよ」

若い方が言いました。

「ああしたものだろう」

やや年とった方が答えました。

「駒井能登守の方は、滝の川でともかくも落着きを確めたが、神尾主膳はどうしてるんだ」

「病気でお暇を願って、江戸へ帰ったということだ」

「そいつは表面のことなんだ、内実は穢多のために生捕られたという評判よ」

「それも裏の裏で、おれが思うには、まだ裏があると思うんだ」

「してみると神尾は江戸へも帰らず、穢多にも捉まらずに、無事にどこかに隠れているとでも言うのか」

「そうよ、あいつはどう見ても、穢多に取捉まるような男でねえ、あの奴等にしたからっても、なんぼ何でもお組頭のお邸へ火をつけて、大将を浚って行くなんて、それほどの度胸があろうとは思われねえじゃねえか」

「なるほど、そういえばそんなものだが、それにしちゃあ狂言の書き方が拙いな、拙くねえまでもあんまり綺麗じゃねえ」