輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁
それに引添うて、一匹の真黒い逞しい犬が威勢よく走って来るのを見かけました。
「まあ、ムクだね、珍らしい、お前、今までどこにいたの」
甲州で別れて以来のムクは、お松の傍へ来て、身体をこすりつけて、尾を振って、勇み喜ぶのであります。
「お前さん、この犬を知っておいでか、オホホホ」
笠の中から、お松を見て笑っているのは慢心和尚です。
「御出家さん、あなたがこの犬をお連れ下さいましたのでございますか」
「はいはい、わしが連れて参りました」
「よくお連れ下さいました、この犬の主人のおりますところを、わたしがよく存じておりますから御案内を致しましょう」
「それはそれは。しかし、わしはほかに用事があっての、お前の方へ行っておられないから、持主によろしく申してくれ」
と言ってこの出家は、ムク犬の頭を三べん撫で、お松に名前を尋ねる隙も与えないで、さっさと行ってしまいました。
お松は呆気に取られましたけれども、それにしても、笠の中から自分を見ていた坊さんの面がまるいものだと思いました。
十六
道庵先生は、柳橋の万八楼で開かれた書画会へ出かけて行きました。(その席で先生一流の漫罵やまぜっ返しがあったけれどこれを略す。