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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠5(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,120 字 · 516 頁

青空文庫

その口調にこそ相異はあれ、たった今、がんりきの百がしきりに憤慨したのと同じ動機に出でているので、心ある人ならば、誰もその無下な仕方を不快に思わないものはないはずです。

「左様でございますな、何とか仕方がありそうなものでございますな、せっかくの結構な額が、あれのためにだいなしになってしまいますでございますね……おやおや、お待ち下さいましよ」

年配の方の道中師が、やはり、それをながめているうちに面が曇ってきました。

「何だ、どうかしたのか」

横柄の方のが、それを聞き咎めると、

「その次に記されておいでになるのは、ありゃ何とございます、宇津木……宇津木と書いてあるんじゃございませんか」

「そうそう、宇津木と書いてある、宇津木文之丞……」

「わかりました、わかりました、思いがけないところで、思いがけない人にぶっつかりましたよ、いやどうも、なんだか怖ろしい因縁がついて廻っているようでございますよ、驚きました」

こう言って、例の白紙に貼りつぶされた無名の剣客の名前を、呪われたもののような眼付でながめ入るのが変でしたから、横柄な方の道中師が、

「貴様、独り合点で、幽霊のようなことを言ってはいかん」