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だいぼさつとうげ

大菩薩峠6

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠6(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 185,112 字 · 362 頁

青空文庫

益満が采配を振って、ああして江戸の市中を騒がしているのだから、まだまだ面白い芝居が見られるだろう」

立聞きをしていた忠作は、この言葉を聞いていたく興味に打たれました。それでは薩摩屋敷の荒れ者の采配を振っているのは益満という男か、その益満という男は、どんな男であろうと、忠作は益満という名を、しっかりと頭の中へ刻みつけました。

そこを出てから忠作は、薩摩屋敷のまわりを一廻りして、芝浜へ向いた用心門のところまで来かかると、ちょうど門内から、忠作よりは二つも三つも年上であろうと思われる少年が出て来ました。少年に似合わず、少しく酒気を帯びているようであります。

一目見ただけで忠作は、たしかに見覚えのある若ざむらいだと思いました。深く記憶を繰り返してみるまでもなく、目から鼻へ抜けるこの少年の頭には、甲斐の徳間入の川の中で砂金をすくっていた時、あの崖道から下りて来て道をたずねたのが七兵衛で、川を隔てて向うの崖道を七兵衛と共に歩いて行ったのが、今ここへ出て来た若い人であります。

「よろしい、この人のあとをつけてみよう、自分は笠をかぶって、酒屋の御用聞の風をしているのだから、勝手が悪くはない」